廃材で建てた空色屋根の家

瀬谷佑介さん、正子さんご夫妻

新潟県上越市

【自休自足Vol.23掲載】

なぜ移住しようと思ったのですか?

高校を卒業後、アジアやアフリカから来た留学生が農業技術を学ぶ『アジア学院』(栃木県)でボランティアとして働いていました。あるとき、そこで出会った友人を訪ねて、インドなどに旅行へ出かけました。すると、向こうではみんな自分で家を建て、食べ物を作るのが当たり前で。それを見て僕にもできると直感したんです。「自分で家を建てられて、食べ物も作ることができれば、残りの時間は好きなことに使える」と思い、日本に帰って来てすぐ土地探しを始めました。(佑介さん)

移住先はどうやって選ばれたのですか?

実は小学校の夏休みに、今住んでいる場所に、山の暮らしの体験学習で来たことがあったんです。目の前を流れる川でイワナを釣って、焼いて食べた記憶を鮮明に覚えていて、住むならそんなところがいいなと思っていました。でも、いろんな場所で土地を探したのですがなかなか見つからなくて。そんなときに、ここのことを思い出して遊びに来てみたら、住んでいた人が、ちょうど引っ越すところだったんです。その方が「ここに住めばいいよ!」って言ってくれて、移住を決めました。(佑介さん)

移住して、まず始めたことは?

譲り受けた小屋に暮らしながら、家づくりに取りかかりました。材料は、解体現場や廃棄物処理場などでタダでもらってきたものばかり。家を建てるのはもちろん初めてだったので、失敗もたくさんしました。それでも何かひとつ作業を終えるごとに、ひとつ何かが身に付いていって、1年かかってようやく住めるようになりました。住み始めてからも台所を直したり増築したり、常に手を入れているので、いつが完成か分からないんです。(佑介さん)

どのようにして生活費を得ていますか?

ふもとの田んぼで無農薬米を栽培し販売しています。自分たちで食べる分の野菜は近くの畑で作っています。(正子さん)
家づくりなどで空いた時間にやりたかった「好きなこと」とは音楽のことなんです。中学生の頃から音楽を続けていて、今では上越や関東でライブを定期的に開催したり、地元ラジオ曲の番組に出演したり、音楽活動による収入も若干ですがあります。(佑介さん)

これから挑戦したいことはありますか?

3人目の娘が生まれ家が手狭になってきたので、2棟目の家をまた廃材を使って建てているところなんです。その家を完成させることと、音楽活動をもっと広げていきたいです。また、毎年夏に母校の高校生が体験学習に来てくれるのですが、その輪ももっと広げていきたいですね。(佑介さん)

この土地で生活を目指す方に一言お願いします。

田んぼや畑に出たり、大工仕事をしたり、薪を割ったり、火を起こしたり……田舎での暮らしはのんびりどころか、とても忙しいです。でも、畑仕事はおいしい料理を家族と一緒に囲むためにあるし、家づくりは家族と暮らすためにある。自分のやった仕事が、すべて暮らしの実りとして返ってくる。とてもシンプルな暮らしだからこそ、充実感も大きいですよ。(佑介さん)

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写真:山本尚明 / 取材:杉山正博

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