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不動産の売買契約について

不動産の売買契約といっても、多くの方が初めての経験であるうえ、聞き慣れない専門用語や複雑な法律上の制限などもあり、戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか。しかし、理解が不十分なまま契約書に署名捺印をしたとしても、いったん署名捺印した場合は契約が成立したと見なされてしまいます。そこで、ここでは売買契約にまつわる注意点を紹介します

重要事項の説明とは

不動産の取引には、複雑な法律上の制限などが関わってくるため、不動産業者は買主などの取引当事者に対して、契約締結前までに、不動産取引に関する一定の重要事項を書面で説明しなければなりません(宅地建物取引業法)。これは、買主が取引の内容を正確に把握し間違いのない契約を行うためのもので、この重要事項の説明を行うことができるのは、不動産取引の専門家である「宅地建物取引主任者」に限られています(また、宅地建物取引主任者は、事前に買主に対して「取引主任者証」を提示しなければなりません)。重要事項の説明の主な内容は、次のとおりです。

■購入対象物件に関する事項

登記された内容、法令による制限、敷地と道路の関係、設備や権利など

■取引条件に関する事項

代金の受渡し、売買代金並びに売買代金以外に授受される金銭(手付金や登記費用など)、契約解除に関する事項、違約金に関する事項など

これらの事項以外にも、宅地建物取引主任者は「買主の判断に重要な影響を及ぼすこととなるもの」について、故意に事実を告げないこと、または不実のことを告げる行為は禁じられています(宅地建物取引業法第47条)。
重要事項の説明を受ける際に気を付けたいことは、可能な限り事前に重要事項説明書や関連書類を入手して、あらかじめ疑問点を整理しておくこと。その上で「納得のいくまで説明を受ける」ことがポイントです。後々、トラブルに悩まないためにも、少しでも不安な点がある場合は、それらをすべて解消し、納得した上で契約するようにしましょう。

売買契約について

重要事項の説明を受けて、購入する物件に関する事項や取引条件に関する事項、その他諸条件に納得できたなら、いよいよ売買契約となります。契約は民法上、口頭でも有効ですが、現実には、不動産業者が関与する売買では、ほぼ必ず売買契約書が作成されます。そこでまずは、先に受けた重要事項説明書の記載事項と売買契約書の記載事項に、相違する点がないかを確認しましょう。そして、重要事項説明書と同じく疑問点などがあれば納得のいくまで説明を受け、すべてを解消してから契約を行うことが大切です。

契約にあたっては、手付金を支払うのが一般的です。金額はケースによってまちまちですが、売買金額の5〜10%が多いようです。なお、不動産会社が売主となる場合には手付金の額に規制があり、造成工事や新築工事などで物件が未完成の場合は5%以下(かつ1,000万円以下)、完成済みの物件や工事を伴わない中古物件では売買金額の10%以下(かつ1,000万円以下)と定められています。手付金(中間金や内金など、売買代金に充当される代金はすべて該当します)がこの金額を超える場合、不動産会社は「保全措置」を講じなければなりません。保全措置とは、売主である不動産会社が倒産して物件の引き渡しが受けられないなどの不測の事態が発生したときでも、支払った手付金などが確実に戻るようにする手続きのこと。ただし、保全措置を行ったとしても売主である不動産会社が受け取ることができる手付金は、売買金額の20%までに制限されています。また、保全措置が行われるときは、具体的な内容や保全措置をどんな会社が行うのかを、しっかりと確認するようにしましょう。